オーストラリア在住の幼児教育者です。
「子供への最善の利益は何か」「What are the best interests of the child」
教育の現場でも、社会でも、
子供の権利をとても大事にしている国で、色んな場面でそれを実感しています。
両親が離婚しても、子供は両方の親に会い、両おやに愛されて育つ権利があります。
この国では離婚後も、子供たちは、両方の親の家を行き来し、一緒に住んでいない親とも週末や夏休みなどを一緒に過ごしたりながら、両方の親に大切にされて育っていきます。
母親と父親が離婚したとしても、[br]自分と母親、自分と父親という関係は続くし、何にも侵害されないことを理解し、子供自身が大切にしているように思います。
親同士の離婚で、傷ついて、自分が悪かったと責める子供たちもいると思います。[br]親の問題は、子供とは関係ないことにあること。
それを口頭で伝えても、その後、片親に二度と会えないことになると、心にわだかまりを持ったまま成長していくことにもなるかもしれません。
離婚後も、両方の親と関わって成長することで、自分とは関係のない問題として捉えられるようになり、そのことは自尊心など、心の成長にとっても大きいと思います。
日本を出て、海外で暮らし、さらに海外で幼児教育を学び直し、仕事をすることで見えてきた[br]日本社会全体における「子供への人権意識の低さ」
母親への責任ばかりが大きい、社会全体における「子育ての大変さへの認識の低さ」
これらから、家庭での虐待やひとり親貧困や、女性の産後鬱や自殺、そして女性社員へのマタハラ問題や産前産後の支援体制の悪さなど
さまざまな問題があり、
親権問題もその一つだと感じています。
子供の人権は守られず、
母親が大変な思いをして、少ない支援で育てていく社会。
先進国でありながら、
海外の制度からかなり遅れている日本社会。
「子供への最善の利益は何か」「What are the best interests of the child」
国の制度を変えるため、
1人ひとりが問題を知り、問題意識を持つことで、
子供のとって、親のとって
より良い社会へと変わっていくことを心より願っています。