子育て改革のための共同親権プロジェクトは、佐賀新聞2024年1月10日付け「論説:離婚後の共同親権 DV対応に万全期せ」の掲載を受けて、質問状を送付しました。

質問状>>

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本プロジェクトは、2021年までに共同親権に法制度の転換をすることを求める提言を行った、主に別居親の当事者の団体です。

2024年1月10日付け「論説:離婚後の共同親権 DV対応に万全期せ」を拝読させて頂きました。まず、本論説は署名が共同通信・堤秀司氏であるものの、佐賀新聞以外での配信はありませんので、佐賀新聞の考えであると承知しております。そのうえで、本論説は単独親権制度のもと、日本は実子誘拐により拉致国家とまで言われていること、DV抑止策と単独親権制度は関連が無いことなどに一切触れられておらず、読者に誤認を生む論説であると感じました。このため、単独親権制度の歴史的背景、海外からの実子誘拐に対する非難や、1994年に日本が批准した児童の権利条約との不整合について理解して頂いた上で、改めて貴社としての考えをお聞かせ頂きたいと存じます。

なお、誠に勝手ながら、回答の希望期限は2024年1月25日とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

質問1.貴社は、子育ては母親が行うことが望ましいというお考えでしょうか。それは、未婚、婚姻中、離婚後で変わるでしょうか。変わるとすればその理由をお聞かせください。

質問2.協議離婚制度によってDV加害者が実力行使で単独親権者となり、被害者が親子交流を一切出来ないケースがありますが、貴社はこの問題をどのように解決することが望ましいとお考えでしょうか。

質問3.現在、日本は実子の連れ去りに対して諸外国から非難を受け、「日本は拉致国家だ」とまで言われておりますが、貴社は本問題に対してどのように解決を進め、諸外国に対してどのように対応することが望ましいとお考えでしょうか。

質問4.日本の現在の親権制度は、児童の権利条約7条、9条及び女子差別撤廃条約第16条を満たしていないと考えられますが、貴社はどのように対応することが望ましいとお考えでしょうか。

質問5.貴社が考える「子どもの利益」とは何でしょうか。定義をご教示ください。

以上

 

参考)

◆質問2

◯2020/7/1 家裁調査官研究紀要(27号)「子の利益に資する面会交流に向けた調査実務の研究」裁判所職員総合研修所(著)

基本的に別居親に問題があることを前提として、面会交流を制限させるための判断項目を、家庭裁判所調査官が作成し公開している。

◆質問3

○2020/7/8 日本における子の連れ去りに関する欧州議会決議

https://www.moj.go.jp/content/001347789.pdf

○2023/10/21 テレビ朝日系列「池上彰のニュースそうだったのか!!2時間SP」

◆質問4

◯児童の権利条約

第7条

1 児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。

第9条

1 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。

◯女子差別撤廃条約

第16条

締約国は,婚姻及び家族関係に係るすべての事項について女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし,特に,男女の平等を基礎として次のことを確保する

(d) 子に関する事項についての親(婚姻をしているかいないかを問わない。)としての同一の権利及び責任。あらゆる場合において,子の利益は至上である。