法務大臣 葉梨 康弘 様
法制審議会 家族法制部会長 大村 敦志 様

大規模別居親実態調査を踏まえた民法改正要望

2022年8月31日

本プロジェクトは、2021年までに共同親権に法制度の転換をすることを求めた提言を行った、主に別居親の当事者の団体です。
さて、別居・離婚後の当事者の公的実態調査についてですが、同居親については「厚生労働省 全国ひとり親世帯等調査」、子どもについては「法務省 未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査」、協議離婚については「法務省 協議離婚に関する実態についての調査」が公表されていますが、“別居親”に特化した公的調査は一切行われていません。このため、私たちは北九州市立大学 文学部 濱野健 教授の協力のもと、別居親の実態調査を実施致しました。
この調査の分析によって、必要な法整備、民法改正のために必要不可欠な視点が明らかになりましたので、ここに指摘させて頂きます。

  • 養育分担を月の半分や1/4の時間を求める方もおり、父母双方が様々な割合で養育分担を可能にするために、父母が対等な立場で協議をし、共同監護ができることを保証する法整備が必要。
  • 養育費・婚費の取り決め割合は7割で、うち9割が支払を継続していた。本調査結果に加え全国ひとり親世帯調査においても、取り決めがあれば受給状況は高まることは明らかである。更に、金銭的負担を取り決めるだけではなく、前項の共同監護を前提とした時間・金銭・意思決定等包括した分担を取り決める養育計画を策定するための法整備が必要。
  • 家庭裁判所における「親権者の決定」及び「監護者の指定」について87%が不当だと感じており、納得感を得ることはできない。別居・離婚により父母の絶対的な地位の不平等を産み出す「監護者の指定」及び「単独親権制度」は廃止することが必要。

 

民法改正に向けて法制審議会家族法制部会が進行していますが、8月30日に公表する予定だった中間試案の発表が延期されたことが報道されました。私たちとしては、これを好機と捉え、次の点の要望致します。

1.本調査を踏まえ、婚姻状態に寄らず父母共が平等な養育分担(時間・金銭・意思決定等)つまり、共同監護・分担監護を実現することを法的に担保する中間試案を発表してください。

2.中間試案の発表と並行して、別居親の公的実態調査をして現行法の不備を抽出し、法制化の詳細において反映をしてください。

以上

子育て改革のための共同親権プロジェクト
東京都中央区日本橋2-11-7 丹生ビル2階
代表 松村 直人
TEL: 050-3555-8403

要望書ファイル(PDF)

離婚や別居に伴う「別居親」の実態調査実施報告書